バリ剱岳山行
4時半、剣御前小屋出発。快晴だが暴風🌀、ちょっと不安。風は、1時間ほどて止んだ。期待が膨らむ。槍沢雪渓を延々と下る。途中、剣沢小屋を通り過ぎる。7月まで殆んどの山小屋は、休館の様だ。これだけ長い距離を帰りは上る(登る)のだと思うと、気が重い。
沢を進むほどに景色が変わり険しさが増してくる。目印になっている平蔵谷(へいぞうたん)出会いの大岩が見えてきた。覗きあげると、急勾配の雪渓が延々と続いている。落石、土塊が散乱している。両サイドからは、所々雪解け水が雪渓に流れ込んでいる。
雪渓の踏み抜きと落石に気をつけなければと思いながら平蔵谷を這い上がって行く。
途中、とにかくクレバスが多い。クレバス迂回で、右往左往しながら、周りをよく観察して最適のルートはどこか探す。踏み抜き滑落転落等の危険いっぱい。自然に神経Maxピリピリに稼働、剣沢と平蔵谷は電波不通で事故が起きても連絡不能と聞かされており、人生の中でも3本の中に入る集中力を発揮した。
途中、落石も経験した。ポツンと落ちてくる、ではなく、岩塊の一部が雪解けと共に崩落して、雪崩の様な落石群となって落ちるのだ。怖い。それ以降、崩落可能性がある岩近傍は避けたルート選定とした。
平蔵谷の上部は、傾斜が更にキツくなり4月に買った10本アイゼンも一歩毎にずり下がる。5月に買ったピッケルも御守りから実用になった。で、精魂尽き果てた状態で、夏道との出会い(平蔵のコル)に到達した。ここまで6時間弱を要した。
さて、次は、剱岳岩塊登攀の開始と、、、登り口が見つからなく行ったり来たり、と、クサリが光るのが見え、登り口発見。有名なカニの横ばいを経て剱岳制覇。
超快晴。360度見放題。残念ながら知識不足でどの山が何かわからない。とにかく、超絶景、感動を満喫した。
下山は、カニのタテバイがどこ?結局わからず、ヨコバイ経由で平蔵のコルに降りた。
さて、またも、平蔵谷の雪渓下りである。アイゼン履いて水補給し気を引き締めて下りるぞ。、、で、10mも降ったあたりでズズーっとずり下がり始めた。、ん?滑落、と思う間もなくずり下がる。練習不足か、とっさのピッケル操作が出来ず、手を何回か雪に突っ込んでピッケル代わり、何とか停止した。
ずり下がる最中、いろいろな事を考えるものだ、どこまで落ちるのか?ピッケル、ストック、ザック等、体から離れて落ちていったり、または、上部に取り残されたり、いずれにしてもその時は、取りに行く気力、体力は無いかも。クレバスまでは、距離があるからそこ迄は落ちないか?大丈夫かなぁ?
ここで、アイゼンを履いていない事に気づいた。なんということか、平蔵のコルで水補給の後、アイゼンを履き忘れたのだ。こんな事があるのです。小説のネタみたいなことが。
で、気を取り直し、アイゼンをしっかり装着して、下山再開、当たり前だが、以前よりやっぱり足元がしっかりしている。踵落とし着地滑りながらバランスをとって下りていく。が、やっぱり何回か、滑落気味になる。アイゼンを実用的に咄嗟にどうやって使うか、実施訓練となった。
平蔵谷、恐るべし!この雪渓を登っている時、下方を上がって来る登山者が3人いた。が、山の上でも、下山中も会うことは無かった。途中下山した様だ。そういう谷なのだ。
いろいろな危険、感動、気力体力限界、チャレンジ力、超絶景、全てが忘れられない経験となった。(ナカノ)
















